SEA MODEL BBS 43213


無題

1:架空009 :

2011/06/19 (Sun) 23:52:39

https://bbs10.fc2.com//bbs/img/_488300/488242/full/488242_1308495217.jpg 上海に駐在している我が情報武官から撮影されたIJN艦艇の中から奇妙な艦がいくつか報告された。
情報部のダグラス中佐と君にその写真を送付するので分析し意見を伺いたい・・・(省略)・・・太平洋艦隊司令キンメル

2:架空009 :

2011/06/19 (Sun) 23:58:24

https://bbs10.fc2.com//bbs/img/_488300/488242/full/488242_1308495535.jpg 写真1
3:架空009 :

2011/06/20 (Mon) 00:00:20

https://bbs10.fc2.com//bbs/img/_488300/488242/full/488242_1308495620.jpg 写真2
4:架空009 :

2011/06/20 (Mon) 00:02:26

https://bbs10.fc2.com//bbs/img/_488300/488242/full/488242_1308495746.jpg 写真3
5:架空009 :

2011/06/20 (Mon) 00:03:40

https://bbs10.fc2.com//bbs/img/_488300/488242/full/488242_1308495823.jpg 写真4
6:架空009 :

2011/06/21 (Tue) 01:06:12

https://bbs10.fc2.com//bbs/img/_488300/488242/full/488242_1308585972.jpg 防空巡洋艦「天竜」
1930年代、世界の海軍の軍人達の間で盛んに議論されたのは「航空機と戦艦どちらか優れるか」という事だった。WWⅠのジェトランド海戦で偵察程度しか出番のなかった航空機が1930年代には見違えるような進化を見せていた。いずれ戦争でこの新兵器が使われる事は明白だった。
英国は旧式C型巡洋艦を改造して防空巡洋艦という新境地を開いた。米国も感化された。日本でも1937年に天竜を改造して防空巡洋艦にしようとしたのである。
改造は大規模で煙路を束ねて視界を良くし、すべての兵装を廃して対空砲だけに特化した単機能型で、③計画の大和級の防空随伴艦と企画されたのだ。
7:架空009 :

2011/06/21 (Tue) 01:19:56

https://bbs10.fc2.com//bbs/img/_488300/488242/full/488242_1308586796.jpg 今回はいくつか検討された案の内の12.7cm連装高角砲×4
基案を3D化してみたが、いかにも小さい。
海軍はいつものように、やがて欲張りすぎていろんな追加機能を盛込み、対潜爆雷や、煙幕をださせる為だけに缶交換までやろうとして本来の防空艦からどんどん離れていってしまう。今日の官僚による公共事業のように当初の目的が忘れられ無意味なまったく異なるものをこさえてしまうのと似ている。手を広げすぎて収拾がつかなくなり結局頓挫したのだ。

しかし天竜は空母に随伴する防空艦としてはそもそもプラットフォームが狭すぎる。防空兵装のプラットフォームもそうだが、艦の燃料タンクの大きさからみた行動範囲が狭すぎてしょっちゅう給油が必要だったに違いない。神速を旨とする機動部隊には足手まといになったかも知れない。
8:架空009 :

2011/06/21 (Tue) 01:32:09

https://bbs10.fc2.com//bbs/img/_488300/488242/full/488242_1308587529.jpg 大和級の防空援護艦なら確かに速力は下がるが、やはり長大な大和級の追随には荷が重そうだ。
そして12.7cm砲×8門なら、大和に直に積んだほうが経済的でもある。日本海軍では防空巡洋艦の居場所はなかったといっていい。
英国のC級は天竜と同様、旧式巡洋艦のリフォーム艦で商船船団護衛が任務であった。日本海軍にはこういう護衛任務が必要だという頭がそもそも無かったことが、太平洋戦争でシーレーン崩壊を招いたのではあるが…
9:架空009 :

2011/06/25 (Sat) 22:03:39

https://bbs10.fc2.com//bbs/img/_488300/488242/full/488242_1309007020.jpg 防空巡洋艦「五十鈴」
天竜はそもそも防空巡洋艦には小さすぎると気づいた日本海軍は、より大型の5500t級のこれまた艦齢20年になる旧式二等巡洋艦を俎上にあげる。
これなら新型で開発中の長10cm連装広角砲7基程度を詰めるだろうと防空巡洋艦改装案を練ったが、こちらは天竜のような煙路の一本化等の船体自身は弄らずに、とりあえず対空砲を積めるだけ積んでみましたバージョンであった。
トップヘビーではあるが対空兵装は天竜改装案からみれば格段の進化である。
10:架空009 :

2011/06/25 (Sat) 22:19:48

https://bbs10.fc2.com//bbs/img/_488300/488242/full/488242_1309007988.jpg しかしこの案も③では完成しなかった。
実際に日の目を見たのは昭和19年の戦中である。雑用と輸送
しか能のなかった5500t級の「五十鈴」は南方で損傷しドック入り。五十鈴はこの機会に防空巡洋艦に改装され、最上と同様、航空優位に対する措置を海軍は採ったとしている。
だがそれは、現地が要望するような対空戦闘艦とは程遠いものだった。旧式化しつつあった12.7cm広角砲×6に25mm機銃3連装×11+単装×5のみで、米アトランタ級防空巡の新型広角砲×12門からみれば半分、③計画時からみれば1/3程度の弱体化していた。
防空巡洋艦「五十鈴」は遅れてやってきたにもかかわらず当初から低性能だったのだ。
11:架空009 :

2011/06/25 (Sat) 22:38:40

https://bbs10.fc2.com//bbs/img/_488300/488242/full/488242_1309009120.jpg その原因はまたもや海軍の総花的な追加機能の盛込みにあった。防空巡洋艦として機動艦隊に随伴するだけでなく、対潜任務である第31戦隊旗艦を兼任させるという二兎を追ったのである。
五十鈴は、本来下ろすべき水雷戦兵器を積んだままになったので、十分な対空兵器を積めず、どっちつかずの艦になってしまった。
戦局によりフィリピン戦に備え、五十鈴は防空戦に動員され
対潜任務に就かなかったので、この対空兵装の削減は惜しむべきであったろう。
最も五十鈴はチモール島からの帰りに米潜の魚雷により戦没しており、もし対潜部隊の任務に就いていても中途半端な性能しか発揮できなかったかも知れない。

結局、一兎も得ることはかなわなかったのだ。
12:架空009 :

2011/06/25 (Sat) 23:08:46

https://bbs10.fc2.com//bbs/img/_488300/488242/full/488242_1309010930.jpg 防空巡洋艦「北上」
日本海軍は出師準備計画で昼間魚雷戦用の重雷装艦三隻の配備を決定し、実際に2隻が準備された。「大井」「北上」である。これらの艦には、魚雷装填装置を持たない4連装魚雷発射管×10基を積むために、雷装用の船腹拡張を行っていた。
来る艦隊決戦の為の漸減戦略は、日本海軍が夢に描いたご都合主義の国防計画で、今日に至っては米軍による通商破壊や海上封鎖を念頭に入れていない弱点が随所に指摘されているが、その中でもこの重雷装艦は特に問題を抱えていた。
この艦はすべてのTPOが揃わなければ使用できない秘密兵器だった。
米軍の主力艦隊が小笠原近海まで密集艦隊でやってきて、視界の良い昼戦で友軍と35000mの大遠距離戦で会敵してくれないといけない。
この機会を得れば、2艦から片舷40本の酸素魚雷が米艦に30分後に襲撃できるというものだった。
なんともご都合主義で、結局、そんな機会は大戦を通じて一度もおきなかった。航空戦により敵の姿を見ての昼間戦闘はほとんど生じなかったのだ。
13:架空009 :

2011/06/25 (Sat) 23:24:59

https://bbs10.fc2.com//bbs/img/_488300/488242/full/488242_1309011899.jpg 昭和16年に改装を終えた5500t級の「大井」「北上」は秘密兵器とされていたが、昭和18年には急遽、輸送艦に再改装されることとなった。夢の漸減戦略の無残な末路であった。
2艦は激戦のソロモンの鉄底海峡に向けて輸送任務に着いた。大井はこの任務で戦没。残った北上ついて、高速輸送船にするか、連装対空砲×10門の防空艦にするかの検討が一時行われた。(明確な図面はないようなので魚雷管跡に装備で3D化)
プラットホーム的には通常の5500t級より船幅が広い面、左右に砲が設置しやすかっただろう。

しかし北上に戦局はそんな見当の猶予さえ既に与えてくれなかった。守るべき機動艦隊は囮にしか役割は既になく、北上に与えられた任務は人間魚雷「回天」の輸送しかなかったのである。

14:架空009 :

2011/06/25 (Sat) 23:32:49

https://bbs10.fc2.com//bbs/img/_488300/488242/full/488242_1309012369.jpg この5500t級「北上」もまた、「五十鈴」と同じく海軍本部の意向により振り回された艦のひとつといえるだろう。

真珠湾攻撃で航空優位を自ら確立していながら、自国艦隊はまったくといっていいほど防空という観点の重要性が抜けていた。高価な戦艦や空母は確かに防空装備を施したのかもしれないが、海軍として何を守るかの優先順位付けが、目先にとらわれ歪んでいたのではないだろうか。

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